Home Assistant ローカル音声操作:選定・導入・実測データ
音声コマンドは中国語と英語に対応します。Home Assistant 公式の Xiaomi Home 連携は非商用利用に限られるため、プリインストールしていません。商用案件では使用しないでください。
このソリューションでできること
家の照明、カーテン、エアコン、Zigbee センサーを Home Assistant に接続し、ひと言で操作します。「リビングの照明をつけて」と話すと、Home Assistant がローカルで実行し、点灯したことを音声で返します。音声認識と音声合成はローカルの reComputer J40 で行うため、話した音声はクラウドの音声サービスにアップロードされません。リビングや寝室での利用のほか、スマートホーム SIer が顧客宅に納品する用途にも向いています。
- デプロイパッケージ(Docker Compose と Home Assistant 設定テンプレート):github.com/suharvest/sensecraft-solutions
- 音声エンジンのソース:github.com/Seeed-Solution/openvoicestream
- 選定と導入:リファレンス設計ページ
音声はクラウドに出ない
コマンドの認識と応答音声の生成は reComputer J40 で行い、実行は Home Assistant がローカルで行います。
発話後 0.12 秒で文字に
中国語・英語 5 件のコマンドの中央値(「性能と実測データ」参照)。
Home Assistant に標準接続
音声サービスは Wyoming Protocol 連携で Home Assistant の音声アシスタントに接続し、Home Assistant 自体は変更しません。
Zigbee 機器をそのまま接続
Connect ZBT-2 を挿せば、各ブランドのゲートウェイなしで Zigbee センサーやスイッチを接続できます。
実機の画面
Home Assistant 音声アシスタントでのやり取りです。中国語で「リビングの照明をつけて」と話すと、ローカルの音声サービスが認識し、Home Assistant が実行して点灯を返答し、右側のリビング照明カードがオンになります。


スクリーンショットの照明、カーテン、エアコン、センサーはデモ用の模擬機器です。音声入力は同じ reComputer J40 で合成した音声で、人の録音ではありません。
必要なハードウェア
現場に必要なのは、Home Assistant ホスト、音声ホスト、Zigbee コーディネーター、音声端末の 4 点です。
| 機器 | 役割 | 備考 |
|---|---|---|
| ARM64 Linux ホスト(64 ビット OS、8 GB メモリ) | Home Assistant を実行 | 1 世帯に 1 台 |
reComputer J40 シリーズ(J4012、Orin NX 16GB) | ローカルの音声認識と音声合成 | 初回起動時に音声モデルをダウンロード。30 GB 以上の空きディスクを確保 |
| Home Assistant Connect ZBT-2 | Zigbee 機器の接続 | Home Assistant ホストの USB ポートに挿す |
| Home Assistant Voice Preview Edition | 部屋に置く音声端末:コマンドを聞き、応答を再生 | 部屋ごとに 1 台 |
| SONOFF SNZB Zigbee センサー(オプション) | 温湿度などの状態を取得 | ZBT-2 経由で接続 |
Home Assistant ホスト、reComputer J40、音声端末は同じ LAN に接続します。Apple の「ホーム」アプリを使う場合、iPhone は Home Assistant ホストと同じ LAN に置きます。
現場への導入
1. 機器の配置
reComputer J40 は音声サービスだけを実行するため、ラックや情報分電盤に置き、LAN 経由で Home Assistant と通信できます。音声端末は話しかける部屋に置きます。
2. ソフトウェアの導入:3 ステップ
機器ごとの手順はリファレンス設計ページにあります。ここでは流れだけを示します。
- Home Assistant ホスト:中国語・英語・日本語のコマンド文例と部屋・機器のテンプレートを含めて Home Assistant をデプロイします。
- 音声ホスト:reComputer J40 に音声サービスをデプロイします。初回起動でモデルをダウンロードし、以降は認識と合成を本機で実行します。
- 接続と確認:Home Assistant で Wyoming Protocol 連携を追加して reComputer J40 の 2 つのポートを指定し、音声アシスタントの音声認識と音声合成に設定します。音声端末に「リビングの照明をつけて」と話し、点灯することを確認します。
インターフェース
音声サービスは Wyoming Protocol で Home Assistant に提供され、その他の自動化はすべて Home Assistant 内で行います。
- Home Assistant:Wyoming Protocol 連携を追加すると、音声アシスタントに
seeed-local-voiceの音声認識と音声合成が表示されます。 - Apple「ホーム」/ Siri:Home Assistant の HomeKit ブリッジで機器を iPhone に同期します。
- 自社システム:Home Assistant 標準の API で機器の状態を読み書きします。
| ポート | 機器 | 内容 |
|---|---|---|
| HTTP 8123 | Home Assistant ホスト | Home Assistant の Web 画面と API |
| TCP 10300 | reComputer J40 | 音声認識サービス(Wyoming) |
| TCP 10200 | reComputer J40 | 音声合成サービス(Wyoming) |
性能と実測データ
全体:発話から実行まで
Home Assistant は 8 GB メモリの ARM64 Linux ホスト、音声サービスは reComputer J40 シリーズ(Orin NX 16GB)で動作。入力は合成音声で、Home Assistant の音声アシスタントに送りました。
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 中国語・英語の照明コマンド | 5/5 件実行成功、すべて Home Assistant がローカルで処理(実測) |
| 発話終了から文字認識まで | 中央値 0.12 秒、範囲 0.11–0.95 秒(実測) |
再現:sensecraft-solutions/solutions/home_assistant_whole_home(デプロイパッケージ)
音声サービス単体
同じ reComputer J40 シリーズで音声サービスを直接呼び出し、16 kHz モノラルの合成音声を入力しました。
| テキスト | 応答音声の最初のパケット | 認識結果 | 発話終了後の文字起こし時間 |
|---|---|---|---|
| 打开客厅灯(リビングの照明をつけて) | 0.122 秒(実測) | 打开客厅灯。 | 0.383 秒(実測) |
| 关闭卧室的灯(寝室の照明を消して) | 0.049 秒(実測) | 关闭卧室的灯。 | 0.421 秒(実測) |
| Turn on the living room light | 0.115 秒(実測) | Turn on the living room light. | 0.579 秒(実測) |
Wyoming 経由では 2 件のサンプルが 0.13 秒で文字起こしされました(実測)。
再現:sensecraft-solutions/solutions/home_assistant_whole_home/assets/docker/docker-compose.jetson-voice.yml
モデルとランタイム
| 機器 | 音声認識 | 音声合成 | ランタイム |
|---|---|---|---|
| reComputer J40 シリーズ | Qwen3-ASR | Matcha-TTS | TensorRT-Edge-LLM / TensorRT |
結果に影響する設定:
- アシスタントの言語:中国語または英語。それぞれ同梱のコマンド文例を使います。
- 機器と部屋の名前:コマンドは Home Assistant 内の名前と照合するため、「リビングの照明」はエンティティ名と一致させます。
既知の制限
- エンティティの別名と命名の不一致:意図判定は正確な命名に依存します。発話された表現と Home Assistant 上のエンティティ別名に乖離がある場合、文字起こしが正しくても操作が実行されないことがあります。
- 複合・連続コマンド:本モデルは単一意図の家電操作に最適化されています。「エアコンをつけてカーテンを半分閉めて」のような複合指示は、1 つずつの文に分けて発話する必要があります。
- 複数端末の同時発話:J4012 ホスト 1 台あたり 1〜3 台の音声端末の同時利用を推奨します。複数部屋から同時に長尺音声が入力された場合、応答開始までの時間がわずかに延びることがあります。
データと素材の出典
- スクリーンショットは Home Assistant 2026.9.3(Apache License 2.0、home-assistant.io)のもので、機器は模擬機器です。
- 音声入力は同じ reComputer J40 の音声合成で生成し、人の録音や第三者の音声は使っていません。